<予備知識>
・1週間あたりの「法定労働時間」
[日本] 40時間
[フランス] 35時間
・両国の「深夜労働」の定義
[日本] 午後10時~午前5時まで。
割増賃金を支払えば、特に規制なし。
(18歳未満は禁止)
[フランス] 午後9時~午前6時まで。
この時間帯は原則として深夜労働禁止。
(一部の業種と観光地区のみ例外的に許可)
フランスでは労働時間について厳しい規制が課せられており、
商店は早い時間に閉まるし、日曜も基本的に営業していない。
ただシャンゼリゼ通りなどの観光地区は例外的に夜間営業が
認められていて、例えば化粧品チェーン「セフォラ」は0時
(休前日は1時)までオープンしている。
そしてこの度、長時間営業に反対する同社の労組が改善を訴え、
裁判の結果「21時以降の営業を禁じる」判決が下ったのだ。
この時点で日本より1周ほど先を行っている気がするのだが、
フランス国内ではこの判決に対して反対の意見も多いという。
同社は
「夜間営業は客のニーズに応じてやっていて、年間売上の
20%が21時以降のもの」
「この判決で50人以上が職を失う」
と反発している。そして国内の議論でも、失業率が高まっている
(直近5年で3%増加の10.9%。ちなみに日本は4.0%)ことを受けて、
「働いて売上を伸ばしたい企業を
法で縛るのはいかがなものか」
「稼げる店は稼いで、雇用創出すべき」
と考える人が増えているようだ。
フランスが先を行っているのか、
日本が世界をぶっちぎってるのか…
個人的には「ニーズに応えて営業し、雇用創出を」という意見
には賛成だが、労働者には法に則った報酬を支払うことが
大前提であるべきだし、経営者は「割増賃金を支払っても
利益が残る仕組み」を用意すべきであろう。
【ル・フィガロ 記事】
「Sephora Champs-Élysées condamné à fermer à 21 heures」
http://www.lefigaro.fr/societes/2013/09/23/20005-20130923ARTFIG00461-sephora-champs-elysees-condamne-a-fermer-a-21-heures.php