強引な契約、顧問料不払い… ジム乗っ取りへの序章
尾関氏が、
「渋谷店経営者+ライセンス契約」
から
「営業譲渡契約+顧問契約」
とすることを決意したのは、渋谷店の経営に注力するよりも、
SI社の顧問としてフランチャイズ店舗の展開に注力し、より
多くの店舗展開に成功した方が旨みがあると考えたからだ。
実際に椿本氏も尾関氏に宛てたメール中にて
「渋谷本店の尾関さんから10店舗チェーン全体の尾関さん
へのシフトのタイミングということだと思います」
と明言している。
契約内容については電話ですりあわせてはいたものの、
当然契約書内容は確認をしておきたい。尾関氏はそう考えて
「契約書を前もって見せてほしい」
と椿本氏に依頼したのだが、再三の要請にも関わらず、椿本氏は
「契約書は当日にしか見せられない」
という強行姿勢を崩さなかった。
しかも契約日は、尾関氏が長期の海外出張に出かける前日を
指定してきたのだ。これは、相手にとって都合が悪い詐欺的
契約を強行する場合の鉄則であり、椿本氏は尾関氏のノウハウ
を持ち逃げ、自社の資本金の詐取をおこなうための強行手段に
出たと考えられる。
商標(尾関紀輝・Shapes・姿勢トレ・シセトレ)を椿本氏SI社へ
譲渡するにあたり、尾関氏は椿本氏に対して
「契約書に顧問期間がないので、永遠とも、椿本氏がいつでも
契約を切れるとも取れるがどうなのか?」
と意思確認をしたところ、椿本氏は
「一生のお付き合いであり、Shapesに尾関さんがいなくなったら
Shapes事業自体終わりです」
ときっぱり意思表示をしてみせた。
顧問契約に移行してからは、Shapesの店舗数が増える毎に
顧問料も増加することになっており、実際に順調に増えていった
…かのように見えた。
確かに記録を見る限り、2011年12月から2012年4月までの
5か月間については顧問料支払いの実績があるのだが、
5月分、予定では85万円程度となるはずの顧問料が突如
支払われなくなってしまう。
しかし、椿本氏SI社は、2012年5月に千葉船橋店、6月に広島店、
7月に神戸三宮店、8月に心斎橋店(リニューアル)、2013年2月に
六本木店をオープンしており、店舗展開はきわめて順調であった。
では、この顧問料不払いの件はどのような事情によるもの
なのだろうか。
~つづく~