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冤罪を免れるのは困難、中身を見ず和解を強要…裁判所の病理を元裁判官が告発(2)

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--本書で、一般の読者に広く伝えたいことはなんですか

瀬木 今の世の中は、裁判所を含む社会のシステムを
「どうしようもない、動かせないもの」と捉え、それを受け入れるか、
無視するかの選択しかないと考えている人が多いように思います。 

しかし、司法を含めて、社会のシステムは「変えられる」もの
です。「変えられない」という意識は、社会のあり方にも原因
がありますが、国民全体に「世の中をどうしていきたいか」
という問題意識が薄いこともまた一つの原因です。


一人でも多くの人が、そういう意識を見直して、社会のシステムを
変えてほしい。そのための民主主義国家なのです。 

社会のシステムに不満があるのに、それを受け入れてしまう
というスタンスは非常に危険です。そうならないように積極的に
調べ、自ら情報にアクセスして、どこにどのような問題がある
のかを考えるようにしてほしい。
そのために、私は自らの知る
司法についての情報を、責任を持って公開したいと思います。 

司法の問題も、関心を持って取り組まなければ、明日は我が身
に降りかかってくる可能性があるという事実を知ってほしい
のです。

現状では、警察や検察に目を付けられたら、刑事裁判で
冤罪を免れるのは至難の業となっています。
つまり、誰でもいつ冤罪被害を受けるかわかりません。
民事裁判でも、原告・被告どちらの立場であったとしても、
裁判官によっては事件の中身をろくに見もせず、無理やり、
恫喝的にでも和解を強要してくるでしょう。 

家庭裁判所や簡易裁判所まで含めれば、多くの人が一生に
一回くらいは裁判に巻き込まれます。その時に、問題意識を
持って情報を積極的に得て、構造的に問題を捉えているか
どうかで、結果が大きく違ってきます。

--法曹界を取材していると、最近の民事裁判では若い裁判官
 を中心に、強要的に和解を迫る裁判官が増えていると
 聞きました。また、ろくに審議もせずに一方の主張書面を
 コピー&ペーストして判決文を書いているという声も多く
 聞かれるようになってきました。
 そのため、裁判官がコピーしたくなるような主張書面を
 書いたほうが有利になると、弁護士は書面作成技術を
 競争するようになってきているという話もあります。
 現状は、本書の内容よりも、さらに悪化しているのでは
 ないでしょうか?

瀬木 そうかもしれません。また、そうなる理由もあります。
今の裁判所のシステムは、戦前の法務省支配の時代から
引き継いでいるピラミッド型の独裁国家のような組織なので、
腐敗しやすいシステムなのです。

近年その腐敗が特に進んでしまったのは、裁判官の平均的な
質が下がっていることが大きな要因だと思います。裁判官を
採用しようにも、そもそも優秀な人材がそれほどいません。
そのため、教養もなく、人間性も育っていない人間が裁判を
やっています。 

昔は、優秀な人材を採用でき、かつ職人的な師弟関係のような
教育システムが機能していたから成り立っていたのだと思います。
しかし今は、そのようなシステムが崩壊してしまっていますから、
和解の強要や丸写し判決が広まっても不思議ありません。


冤罪を免れるのは困難、中身を見ず和解を強要…
裁判所の病理を元裁判官が告発

http://biz-journal.jp/2014/06/post_5028.html

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