「絶望の裁判所」の中で著者瀬木氏は、裁判官の実態を
「精神的な収容所の囚人」と表現する。
日本の裁判官は任期が10年で、更新されなければクビに
なり、路頭に迷う弱い立場の職業。
そのため、裁判官の人事権を握る最高裁事務総局の
顔色をうかがいながら働くようになる。
その結果、最高裁の意向を気にして、判決の内容にとどまらず、
公私にわたる個人としての意見まで最高裁の望む方向に画一化
されるようになっている。
最高裁事務総局が評価するのは、最高裁の意向に沿って、
なるべく多くの「事件処理」を行うことである。それに合わせて、
多くの裁判官は、自らの良心ではなく最高裁の意向に従った
裁判を行う。
刑事では、有罪を前提に裁判を行い、冤罪が生まれやすく
なっている。
民事では、裁判を早く手間をかけずに終わらせるために
「和解の強要、押し付け」が横行している。
裁判官によっては恫喝的ともいえるような言葉まで用いて和解
を強要するため、前述のように、被害者女性に裁判官が脅迫
するような事件までが起きるのだろう。
このようにストレスがたまる仕事を続ける中で、裁判官のモラル
も非常に低下している。 そうした裁判所の実態を表すエピソード
として、こんな事実がある。
瀬木氏が最高裁民事局の局付として勤務していた時に、
ある国会議員が裁判所の不祥事を追及する質問をしてきた。
そのため最高裁事務総局内部では、これに回答するための
協議が秘密裏に開かれた。その協議の最中、局の課長を
務める裁判官がこう言ったという。
「俺、知ってるんだけどさ、こいつ(国会議員)、女のことで
問題があるんだ。(質問対策として)そのことを、週刊誌か
テレビにリークしてやったらいいんじゃねえか?」
最高裁事務総局に勤務する裁判官が、裁判所の実態を隠蔽
するためにスキャンダルリークで対抗しようと主張したのだ。
結局彼の意見は採用されなかったが、これは「良識に基づいて
行動すべき」裁判官の倫理とは真逆の態度である。
しかも、この発言をした裁判官は、その後最高裁の裁判官
にまで出世していったという。このような発言をする体質の
人間がトップになるということは、最高裁がこのような体質を
裁判所全体に広めていっているといえるだろう。
結果として裁判官の不祥事が増加している。
セクハラ、パワハラ、モラハラ等も多く、2000年代に入り
児童買春、勤務時間中のSMメール、ストーカー、痴漢、盗撮、
強制わいせつなど、性犯罪系の不祥事が多発している。
裁判官による性犯罪、なぜ多発?被害者を恫喝、
和解を強要…絶望の裁判所の実態
http://biz-journal.jp/2014/06/post_5013.html