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あの有名人気ジム、詐欺裁判で敗訴 創業者からノウハウ略取&追い出し(3)

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当該裁判における弁護士の働き

このような事件において、詐欺的意図を立証して勝訴にまで至る
ケースはまれである。
全国で同様の被害に遭い、泣き寝入りせざるを得ない被害者に
とって希望の光となることであろう。 

勝訴の裏には、尾関氏と弁護士との強固な信頼関係があった。

そもそも、

「面倒なことはすべて解決してほしい個人の依頼者」

と、

「面倒さは変わらないのに、法人に比べて報酬面で割に
 合わない些末な事件はあまり受けたくない弁護士」

では利害が対立するものであり、ヤル気がない弁護士が
増えているという現状は以前本連載でも報道したとおりだ。 

昨今では、裁判になってから弁護士のもとに駆け込んでも、

「いきなり相談されても対応できない」
「顧問契約などで普段から状況を把握できていないと、
 リスクがあるから」


などと、門前払いを受けるケースも散見されるほどなのだ。 

今回のケースでは、裁判に至る前、SI社の詐欺的意図が露見
した頃から、尾関氏が断固として戦うという強い意志を持ち、
類似の問題に対処したことがある弁護士やリスク対策専門家
のアドバイスを受けて地道に準備をし続けていたことが勝因

であるといえる。

裁判を前にして、出廷する弁護士とは事実関係と詐欺的意図
について綿密に情報共有し、弁護士が全体像と椿本氏の悪意
を確実に把握していた
からこそ、法廷での椿本氏の発言の矛盾
にも逐一的確に対処でき、結果的に勝訴に至ったのである。 

今回のケースは、同様の事案で被害に苦しんでいる方々に
とってよき判例となると共に、法廷闘争の方法論という点に
おいても貴重な参照事例
となることであろう。

事件発覚から2年半の歳月を経て、「Shapes」の商標は全面的
に尾関氏に戻ることになった。 

しかし、この判決が出る数カ月前から、なんとSI社と椿本氏側は
密かに別の「ある手段」に打って出ていたのだった。

(つづく)

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