「雇用情勢が改善している」といわれているが、
実態はどうだろうか。
私も取材でお世話になっているNHK社会部さんが、5,000万件の
データ統計から導き出した報道で見えてきたのは…
・平成23年度から25年度にかけて、全国すべての都道府県で
求人数は増加
・ただ求人の多くは非正規雇用で、離職率が高い仕事の割合
が多い
・建設業や一部の製造業で正社員の雇用が増えて賃金が
上がる一方、男女の格差は広がっている
(主に女性が希望する事務職では、正社員求人が
それほどは伸びていないため)
・求人増加数が増えた産業は上位から順に「医療・福祉」
「卸売・小売」「サービス」「建設」「飲食・宿泊」
・一方で離職率が高い産業上位は「飲食・宿泊」「生活関連
サービス・娯楽」「サービス」「医療・福祉」「卸売・小売」
・結局、仕事を辞める人が多い産業で、求人が増えている
・この3年間で就職した人数の増減から見ると、若い世代は
軒並み減っている一方、65歳以上の高齢者が大きく
増えている
・その多くは、「清掃員」や「飲食店の店員」、「タクシー
ドライバー」など、人手不足と言われる仕事に就いている
・実質賃金は、2014年11月まで17か月連続で前年同月を
下回っている
求人数だけでみると「雇用情勢は改善している」といえる
のだろうが、働く側からみれば、まだまだその実感はないだろう。
賃金など待遇面での質を高めることや、結婚や出産、育児、介護
などでも融通がきく働き方を増やしていくことが求められる。
私も引き続き、ブラック企業には無慈悲な懲罰の鉄槌を下しつつ、
理想的な働き方を実現できている企業・組織は顕彰させて頂き、
さらに広く知らしめていきたく考えている。
<5,000万件のデータからみる雇用実態>(NHK NEWSweb)
http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2014_1226.html