「ブラック企業」というバズワードには功罪がある。
「功」は、違法な労働状態に対して世間の目が厳しくなったことで、
一部の企業では実際に業績が悪化したり、採用が困難になる
などして、ブラックな労働環境を改めざるを得なくなる動きが
出てきたこと。
今後の労働人口減少傾向もあいまって、この動きは継続して
いくだろう。
一方で「罪」もある。
常々言っていることだが、なんでもかんでも「ブラック」とひとからげ
にしてしまうことで、必要以上に過敏な人を増やしてしまっている
点だ。一種の「ブラック企業アレルギー」といってもいいだろう。
「何をもってブラックと判断するか」の基準は人によって異なる。
「残業が多い」のか、「給料が安い」のか…
一方で、「ハードワークでも、スキルがつくならOK」と判断する人
はいるし、「給料が安くても、残業が少なければいい」という人
だっている。
先般行われたブラック企業にまつわる調査では、もっとも多くの
就活生が「ブラックだと感じる残業時間」として挙げたのは
「週に40~60時間」。これでは日本中すべての会社がブラック
企業になってしまうではないか。
もちろん違法企業はよくないが、
「この業種/職種/会社はブラックかもしれない…」
というだけで思考停止に陥ってしまってはいけない。
「自分にとってのブラック企業とは何か」を考えて行動していく
べきなのだ。
…そんな話を、同じタイミングで「AERA」さんと「日経WOMAN」
さんでさせて頂いた。
ちなみに「週刊SPA!」さんでは毎度おなじみ「給与明細㊙公開」
でコメント。